~手紙文化を振り返る、の巻~
2020年08月04日 いつかいち(分園)からの園便り
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先月末、やった明けた梅雨。蝉が、この日を待っていたかのように一斉にせわしく泣き声を上げ、「今が夏だと」実感させられますが、それも6日までで、7日からは秋ですね。今夏は、春先の感染症拡大から東京五輪にはじまり、夏の風物詩の高校野球、夏まつり、花火、盆踊りや各地の伝統行事が軒並み中止(ないしは延期)に追い込まれ期間的にも内容的にも 何だか気の抜けたコーラーのような感じがします。一方、また春先の悪夢がじわじわと背後に迫りつつあるのに、何ら有効な手立てが打てない現状に不安と焦燥感から気が気でない気持ちにさせられ、本来の夏気分に浸れないのも残念な限り。こう否定的な考えばかりでは、落ち込む一方なので前(上)を向き、自分の趣味などで楽しいことで気を紛らし、気落ちすることなく頑張っていくことが必要ですね。みんな、頑張りましょう!!
今回は、日本郵便プレゼンツ”お手紙ごっこ遊び支援キット”で遊んだ様子をお伝えします。年々、年賀状の取扱量は減少の一途で、昨年度の中学生国語学力テストでは封書の宛書の正答率が6割を切ったというショッキングな事実もあり、最近のネット社会主流を裏付けるものとなっています。そこで、小さい頃に少しでも本来のお手紙に親しんでもらうために葉書、切手、消印やポストといったキットでお手紙ごっこをして遊びました。時節柄、お家で書いた暑中見舞いが、ポストに投函され、どう宛先の主に届けられるかを紙芝居で確認し、いざ実食ならぬ実画をしていきました。
各人、思いのこもった画を描き、いざ投函(?)と意気込んではみたものの、手紙に欠かせない切手の存在に気付かされることになりました・・・これは、毎朝のシール貼りからお手の物で何なくこせていました。いよいよお待ちかねのポスト投函で、みんな大事なものを運ぶように両手を添え、ポストに慎重に投函している姿が印象的でした。
まず、2歳児の投函の様子をじっくりと見ていたからでしょうか、0歳児も惑うことなくポストに葉書を投函することが出来ていました。また、1歳児の中には「一体全体、この中はどんなことになっているんだぁ~?」と興味を前面に出すように実際、ポストの中を覗き込み、その後は「ふむ、ふむ、なるほどねぇ~」としたり顔をしているところが何とも微笑ましい光景でした。
日が改まったある日、今度は郵便局側に立った暑中見舞いの流れを勉強することにしました。郵便局員に扮する2歳児は、各ポストから集配された暑中見舞いの葉書を整理し、各葉書の切手に(使用済みを表す)消印をし、準備万端となりました。いよいよ”Hey,Mr.Postman!”よろしく郵便配達員として配達バッグに暑中見舞いの葉書を入れ、配達に出掛けることになります。
ここからは郵便配達人の腕の見せどころで、配達先は日頃、みんなが使っている個人用の引き出しが簡易郵便受けポストとなっています。目印は暑中見舞い葉書に記されたマークから引出しに記されたマークを探し出し、同じマークのところに郵便を届けるというもの。最初は、そんなことより誰でも彼でもいいから、葉書を引出しに入れることが目的となっていましたが、次第に宛名の方にきちんと届けるという意味を理解し、頑張る、健気な郵便配達員となっていました。
ご覧のように、どの配達員もお目当ての引き出しを見つけ、ゆっくりと折れ曲がらないように暑中見舞い葉書を入れる丁寧さが光っていました。みんなが一人ひとり頑張ってくれたおかげで、この暑中見舞いを今か今かと待ち遠しい気持ちで待っている人にきっちりと届けることができたのは何よりと言えます。Thank you, Mr. Postboy (Or Ms Postgirl)!
このお話、最後は受取人が登場ということになります。それはご覧のような園児が何気なく、引出しを開けてみると「うっ、何だぁ~、これは?」「あっ、そうかぁ~、あの人からの手紙かぁ?」と内心思っていたか否かは別として、意中の人にきちんと暑中見舞いの葉書が届き、「どれ、どれ」「ふむ、ふむ、なるどほどねぇ~」と葉書の内容に感心しているのが印象的でした。ネットと違い、書くのも情趣、それが届いて拝読するのも同様で、デジタルにはないアナログの温かみや味わいが感じられるものです。たまには久々に電子メールに代わり、お手紙で近況報告するもの一慶かもしれません。こどもたちにもこのことで手紙文化が少しでも根付けば幸いです。