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園便り

~食べるの大好き?!~

2020年12月02日 いつかいち(本園)からの園便り

木々の葉がほぼ全て落ち、あまりの変わりようを目にすると、冬支度が日に日に進んでいるなぁ~と実感させられます。今年は、暖冬ではなく本格的な寒さが到来する冬になるようなので気を引き締めていかないといけません。ただ、まだ気候は一進一退を続けているようですが、再来週には厳しい寒さになるようですから体調管理を含め、さらに気を引き締めていく必要があります。巷では、春先から世間を悩まし続けている感染症がまた猛威を揮いはじめきているのも目が離せません。ここは、みんなで新しい生活様式の定着に向けた日常生活を送り、何とかこの窮地から脱していけるようにしていきましょう!!

今回は”食育特集(?)”です。戦後の日本では考えられない程、現在は一般的に豊かさが行き渡り、それが当たり前のように受け止められている節があります。国連加盟国が取り決めたSDGs(持続可能な開発目標)の中にある飢餓をゼロに、とあるように飽食日本において食品ロスを無くしていくことにも繋がることではないかと思うので幼少期の取組みとして重要視しているところです。そう、食育とは、ただ食べる事だけでなく、好き嫌いせずにバランスよく食べ、食べ物を大切にし、食事のマナーを身につける、など盛り沢山です。食習慣では成人病と言われたものが今では幼少期でも発症する生活習慣病と位置づけられ、偏食や食生活の乱れにも着目する必要性が出てきていますので、園で取組んできているところです。

さて、こどもたちは基本、食べることが大好き。毎日、お昼時には「給食室からいい匂いがするね」や「今日はお肉かなぁ?それともお魚かなぁ?」と献立が気になっている様子。ただ、こどもたちの中には、小食から大食、早食いから遊び食べも含めたのんびり食べ、食ベムラなどがあり、食べる様子も色々で、献立次第では好き嫌いも加わり一筋縄ではいかないところがあります。

昔、好きなものを最初に食べる派、最後に食べる派など、比較した経験はお持ちではないでしょうか?ただ、苦手なものばかりはそうはいかず、ついつい後回しにされがちです。そこで、「カッコイイお姉さん、1口で頑張ってみようよ!」といった”お兄さん&お姉さん”といった魔法の言葉で、苦手な食べ物も克服できるように仕向けています。そんなことの繰り返しの中、以前は食べれなかったものを頑張って克服できた時には、「見てぇ~、全部食べたよっ~!」と達成感や満足感を露わにした報告があります。そんな時は、保育スタッフがしっかりと「よく頑張ったねぇ~」と褒め、共有し、お互いの関係強化につなげています。


また、昨今の食の欧米化からこどもたちの食べるスタイルは、(ハンバーガーといった)単品食べが一般的で所謂、ばっかし食べと言われるものとなっています。和食がユネスコ無形文化遺産として世界で話題を集める一方で、食べるスタイルは欧米化では、ちょっともったいない気がしますので、主食と副食の組合せでお口の中に広がる味覚のいろんな世界を体験させてあげたいなぁ~と三角食べを指導しています。また、猫背の姿勢を正したりと食べるマナーなどにも着目して取組むようにしています。

ここからは、年少児がクッキング教室で”きのこシチュー”を作りましたので、その様子をお伝えします。今回は”しめじ、えりんぎ、まいたけ”の旬の食材のきのこ類を調理しました。トレー一杯に詰められた沢山のきのこに多少、驚きを隠せない様子でしたが、「おいしそう」や「何か匂いがする~」といった反応があったのは何よりでした。ご覧のように、きのこの匂いを嗅ぎ、「ちょっと匂いが違うね~」や「いい匂い」と”利き酒”ならぬ”利ききのこ(匂い)”をしていました。

きのこには肌をツルツルにする効果、お腹の掃除をしてくれ、骨を強くする、さらには風邪を引かないように強い身体にしてくれる、など心強い効能の詰まった食材だと調理スタッフが教えてくれました✨普段、何気なく口にしているものですが、こんなにたくさんの効果が得れるなんて、意外でしたね。こどもたちが食材に触れ、何の潜入観も抱かず、食べれるようになるのだったらもう言うことなしですね。

今回は、そのきのこを食べやすい大きさに手でほぐすことで、食材に馴染みを持つ機会としました。しめじは1株ずつにほぐし、エリンギは細く裂き、まいたけは食べやすい大きさにちぎっていきました。きのこによってそれぞれ調理の仕込み方が違い、中でもエリンギはコツを掴まないと綺麗に裂くことができず、難しそうにしていました。でも、こどもたちは試行錯誤を繰り返し取組み、要領を得た後は、(裂けるチーズのように)次から次へと裂いていました。みんなが調理したきのこは大きなお鍋に入れ、調理スタッフがさらに手を加え、美味しいきのこクリームシチューへと仕上げていってくれました。


どうです、みんなの満足そうな笑顔は?これはどう見ても、嫌いな子はいそうにない感じでパクパク、モリモリと食が進んで行っていましたので良かったなぁ~と感じています。

スプーンにのったきのこを見て、「これはエリンギ!」や「違うよ!しめじだよー?」ときのこ学習が食べながらでも進められていたのは、きのこに興味関心を持ってもらえた証拠。これからも季節季節でこどもたちが食材に触れ、食べ物に馴れ親しみ、食べる習慣化に繋げることが出来ればと思います。それが、世界全体の飢餓撲滅に繋がる第一歩となることを信じています。と、何だか話が大きなことになってしまい、収支がつかなくなりそうになってきたので今回はこの辺で失礼します。


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