季節は秋彼岸も過ぎ、”天高く、馬肥ゆる秋”となりました。透き通った青空とそよ風の清々しさで外遊びも快適、そうなるとお腹もグゥ～と鳴るというものでパクパク、モリモリと食が進みます。そして、”よく遊び”、”よく食べ”の後に来るのは当然、”よく寝る”で規則正しい生活リズムの定着に秋本番の気候は一役も二役も勝ってくれているようですね。それででしょうか、こどもたちの表情にも輝きが見られるような感じがするというのは言い過ぎでしょうか？
　
今回は、”秋”をテーマにしたクッキング教室の様子をお伝えします。まずは、お彼岸にご先祖さまにお供え品するおはぎづくりに挑戦しました。とはいっても、今年は感染症対策から非接触を基本にしていることから思う存分にクッキングを楽しむことができませんが･･･こどもたちには色んな食材を目にし、遠巻きながらも触れ、クッキングに親しみを持ち、それを通じた実食へと少しずつ繋がっているようなので何よりと感じています。
　
今回は、あらかじめあんこに包まれたおにぎりをきな粉の入ったお椀の中でゴロ、ゴロ～と前後左右に転がし、きな粉おはぎに変身させる、といった内容です。今回、お昼寝明けに実施したのですが、普段寝起きのよくない子もこの時ばかりは”クッキング!!”というのが頭にピッとひらめくのかお目覚めもよく、準備万端に臨んでいました。お椀の中をコロ、コロと転がる様子をジッ～と見つめながら、小豆色が黄金色に染まっていくのを楽しんでいました。
　　
最初はお椀からおはぎが勢いよく転がり出るではないかとおっかなびっくりの調子でコロコロしていましたが、力加減を分かると後は遊び感覚も加わって、楽しいクッキングが展開されていきました。おはぎに万遍なくきな粉が行き渡るようにコロコロ、コロコロと注意深く転がしていきました。
　
こうして出来上がったきな粉おはぎを前にし、”いざぁ～、実食!!”となります。普段より食に興味関心のある子は何の抵抗もなく、パクパク、モリモリと食べ進め、時折口元についたきな粉を気にするようにおしぼりで綺麗にします。今の今、自分で作ったはずなのに、”食材”に慎重な子は見た目もそうでしょうが、なかなか食が進みません･･･これは、これで無理強いすることなく、時期を見て食べれるようになればと思っています。
　
また、澄んだ秋の夜空にくっきりと綺麗なお月様を愛でる”十五夜”、別名”中秋の名月”の季節。今年は今月1日がそうでしたので、それにちなんだクッキング教室の様子もお伝えします。朝夕はヒンヤリとし、縁側（今風だとベランダでしょうか）に腰掛け、のんびりとお月さまを眺めるというのも一日の疲れが癒される、と言えますね。この十五夜は（サツマイモや里芋など）芋類の収穫物を月に供える風習から”芋名月”とも言われているとか･･･
　
そこで、今回は（あらかじめ準備した、ラップに包んだ）サツマイモを食材とし、お月さまのように真ん丸な形に成形していくことに挑戦しました。これは得意とばかりに、器用に両手を使い丸めて満月を仕上げていく子がいたり、なかなか要領を得れず、仕方なく三ケ月のような形に仕上げていく子と様々でした。
　
ご覧のように、0歳児もみんなに負けじと”出来る事からコツコツと”ではありませんが、粘土遊びのように両手でコロコロ、と頑張ってお月細工を楽しんでいました。みんなが一通り、お月さんづくりを終えようとしている頃、どこからともなくつぶやくような声が聞こえてくるので声のする方へ足を向けるとご覧のように、ある子がお月見ドーナツに向かって「美味しくなぁ～れ」とおまじないをかけているではありませんか。みんなの気持ちも同じなので、同様に「美味しくなぁ～れ!!」と連呼し、後は調理スタッフに仕上げを託しました。
　
今回は、おやつのお月見ドーナツを作りましたが、給食は別にお月見うどんが供されました。”お月見うどん”とはズバリ、お月さんをうずらと（そのお月さんを眺めるように）うさぎの耳を模したような蒲鉾で表現されていたので、こどもたちの目を引き、食欲を引出し、お腹を満腹に導いていました。そして、本日のお目当てのお月見ドーナツはお昼寝明けのみんなの目覚めをパッチリとさせてくれる効果抜群の甘い匂いが漂い、それは食欲も増進させてくれ、パクパクモリモリとアッという間にお口の中に放り込まれる程でした。これからも季節の行事を通じ、旬の食材で季節季節のクッキングの機会を得、実食するきっかけづくりになってくれればと願っております。
　
ちなみに、今回の行事食は以下の通りでした。お昼の給食：お月見うどん、鮭と青菜のおにぎり、ひじきの煮物、りんご。おやつ：お月見ドーナツ