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園便り

~味覚の秋といえば・・・~

2020年10月14日 いつかいち(分園)からの園便り

今月1日は十五夜でしたが、(サツマイモや里芋など)芋類の収穫物を月に供える”芋名月”と呼ばれていることは以前、お伝えしたところです。芋類の代表的なものの一つがさつま芋で今月、旬を迎えようとしています。ということもあり、今月13日は”さつま芋の日”だそうです(川越いも友の会制定)。その産地は薩摩=鹿児島がダントツなのは変わりありませんが、江戸時代に焼き芋がブームで小江戸として栄えた川越のさつま芋は良質で味も絶品だったことから「栗(九里)より(四里)うまい十三里」と江戸から川越までの距離で表現されるくらいに支持されていたことが分かります。今回は、今や”味覚の秋”の中、その代表的なものの一つとして、お芋の収穫の様子をお伝えします。
 
本来ならば、親密老人施設でのお芋掘り体験をさせていただくのですが、コロナ禍の中ではそれもままなりません。ということで、お芋掘り体験を断念するというのは不憫なので、本園のお芋畑に2歳児が参戦することにしました。みんなは片道20分は優にある距離をこれからの”お芋掘り体験”を楽しみに弱音を吐かずに頑張りました。その道中、絵本で見たことのある道路清掃車に遭遇できたことも、少しばかりの元気注入に役立ったのではないかと思います。ようやく目的地のお芋畑に到着し、お芋掘りのはじまり、はじまりぃ~。
 
ただ、お芋畑を見渡す限りではお芋の「お」の字も見当たらい状況に、みんなは「?」の状態でした。そこで、保育スタッフがお芋の蔓を引っ張り上げると、畑の畝にちょっこと顔を覗かせたお芋が見えてきました。2人ずつ順番にお芋掘りをする子たちは、ご覧のようなスコップでお芋の回りの土を優しく掘り分け、お目当てのお芋をゲットしていくようにしました。
 
土の中からお芋の全体像が見えるくらいになってきたところで最後の仕上げは両手でさらに土を取り除いていきます。そして、いざ収穫ということで片手で勢いよく引き抜こうとするものの、そうは問屋が卸さないようでなかなか思うようには収穫ができません。そこで、両手で「うんとこしょ~、どっこいしょ~!」とお決まりの掛け声と共に頑張って引き抜くと大小、形も様々なお芋がゴロゴロと顔を出してくることとなり、みんなは興奮状態になっていました。
 
天候にも恵まれ、絶好のお芋掘り日和の中、こどもたちが想像した以上の大収穫に大満足で足取りも軽く、園の帰路を進んでいると・・・何やら(こどもたちには)見慣れぬ赤い花が道端に咲いているのに気づきました。「これは何という花かな?」の問い掛けにちょっとしたシンキング・タイムを経、「蛸(たこ)の花」という、こどもならではの微笑ましい回答にほっこりとさせられました。一方、園では居残りの0&1歳児の手による疑似お芋掘り体験をする為の制作が進み、早速出来上がった作品でお芋掘りを楽しむことになりました。
 
お芋畑に見立てた段ボールからニョキ、ニョキと伸びるお芋の蔓と葉。一人ひとりが好きな蔓を選び、引っ張り出すと、見事なお芋にご対面し、思わずニコニコ笑顔となっていました。中には、お芋をゲットしたはずの蔓の先には何やら”らしからぬ”ものとしてモグラを掘り当てることになり、怪訝そうな表情になっていました。こどもたちにはちょっとしたサプライズくじに一喜一憂する催しとなっていました。
 
その後、今回の畑探検隊の2歳児が本物のさつま芋を持ち帰ってきたので先程の段ボールに入れ、居残り組の0&1歳児たちは今度は外れなしのさつま芋やお芋の蔓や葉を手に取り、芋の手触りや土の匂いなどを通じ、自然に触れ合っていました。
 
お芋はご存知のように食物繊維に富み、腸内環境を整えてくれるので栄養的にも健康的にも優れた食材と言えます。今回のお芋は、園で大学芋で味わうことにしていますが、それだけでなく お芋の蔓も自然体験の一つとして触れ合う場を設けました。というのも、戦後の食糧難の状況は何処へやら、”飽食の時代”となった今では考えられないことですが・・・実は、このお芋の蔓は戦後の食糧難の時代には貴重な食材として重宝がられていました。折角ですから、お芋尽くしに浸ろうという作戦です。この蔓自体は無味でシャキシャキとした歯ごたえが特徴なので、きんぴらごぼうのような炒めものが代表的な料理となっています。園でも早速、調理されたものが供され、みんなも「お芋の味がするぅ~(?)」と喜んで食べていたので味覚の秋を堪能できたのではないかと思います。


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